害虫駆除の秘訣

観葉植物の育て方

観葉植物の大きさ、規格や種類

害虫駆除の秘訣

 室内育成が基本である観葉植物での害虫発生は、庭木の場合ほど深刻ではありませんが、管理を誤ると、折角買った観葉植物を台無しにしてしまうことがあります。

 観葉植物で発生する害虫のほとんどはカイガラムシとハダニです。その他、春先にはアブラムシ、オンシツコナジラミも発生することがあります。暖かい季節に観葉植物を屋外に出している場合はナメクジに葉を食害されることもあります。

害虫の予防

 観葉植物に着く害虫は窓を開けていても侵入しますが、購入した段階で植物のどこかに幼虫や卵が、潜んでいる場合がほとんどです。「購入した商品に害虫が潜んでいるなんて許せない」と思われるかもしれませんが、自然界においては、いろんな生物が微妙なバランスを保って共生しているのが普通です。
  害虫はたとえ、居たとしても、繁殖に適した条件がないと植物を枯らしてしまうほどのことはありません。カイガラムシ、ハダニは室温がたとえば25℃以上と高く、空気が動かない状態で、よく繁殖します。部屋の明るさが十分でなく植物の体力が落ちているときも大繁殖します。例えば五月の連休時に数日、家を締め切ってお出かけになる時や八月の里帰りの時期などです。 害虫の繁殖を防止するためには植物を置く部屋を明るく、風通しの良い状態に維持することです。適切な水やりを行うことも植物の体力を保持するために重要です。

害虫に蝕まれた観葉植物の症状

害虫に蝕まれた観葉植物の症状をご紹介します。


カイガラムシ

症状:ミカンコナカイガラムシはほとんどの観葉植物に発生します。枝や葉に白い綿のようなものにくるまれて動き回っている肌色の虫(体長1〜2mm)です。この虫は茎や葉を這い回り樹液を吸い、自分に必要なアミノ酸だけを吸収して、後はお尻から排出してしまいます。糖分を含むこの排泄液は葉をべたべたにしてしまいます。ベンジャミンには茶色の小豆粒のようなカイガラムシ、シェフレラ(カポック)には薄茶色のゴマ粒のようなカイガラムシも着きます。これらは成虫になったら動き回らず、一箇所にへばりついて樹液を吸い続けます。
葉や枝に着いた樹液は無害ですが湿度の高い場所ではこれに黒いカビが生え、枝や葉を黒くしてしまいます(スス病)。住宅やオフィスでは、そこまでなるのはまれですが、むしろ、放置すると床に排泄液が落ちて、それに埃がつき床を汚す方が問題です。

白い繭をかぶったコナカイガラムシは汁を吸って観葉植物を弱らせます白い繭をかぶったコナカイガラムシ

対策:ミカンコナカイガラムシのように成虫でも動き回るものはモスピラン、ベニカDのスプレー剤(以上住化タケダ園芸)がよく効きます。固着しているカイガラムシは硬い殻をかぶっており容易に薬剤が浸透しないため退治が難しいのですが、ベニカDは比較的よく効きます。この場合、薬剤を噴霧する前に硬いブラシ矢指先でなるべく除去した後に噴霧してください。残念ながらこれ以外の家庭用園芸薬剤ではほとんど効果がありません。庭木用のカイガラムシ駆除剤はありますが、間違ってもそういうものは使わないで下さい。マシン油(商品名ボルン)剤は植物を油でベタベタになり、そんな植物は見る気もしなくなります。庭木のカイガラムシ防除でよく使うアクテリック剤は、臭いがきつく部屋の中に置くものに撒くと気分が悪くなります


ハダニ

症状:ヤシ類など葉の薄い観葉植物でよく発生します。葉が細かい点状に白っぽくなります。葉の裏を指でしごくとクモの巣のようなものがあり、虫がつぶされて赤い汁が着きます。ハダニはクモの仲間で体長0.2〜0.5mmの小さい虫ですが、目を凝らせば赤い点が動くのが肉眼でも見えます。葉の裏にクモの巣を張りそこで樹液を吸いながら生活しています。発生してもすぐに葉が枯れるわけではありませんが、放置すると葉がとクモの巣だらけになり、葉も真っ白になって薄汚くなります。それに伴い樹勢が弱るのは言うまでもありません。


 薬剤:発生したら、テルスタースプレー(住化タケダ園芸)を散布します。ハダニ剤は種類が少なく、現在、観葉植物用として使えるものは、これくらいしかありません。本に書いてある薬剤のほとんどは既に販売中止になっており入手できません。テルスターでは卵で潜んでいる場合には効果ありませんので、成虫になった段階でモグラたたきのように駆除する必要があります。
ハダニは乾燥した高温状態で繁殖し易いので、春以降は締め切った、むんむんする部屋に置かないとか、冬季、暖房のある部屋に置く場合は、時々植物に霧吹きしてやるなどの予防策をとってください。

アブラムシ、オンシツコナジラミ

症状:春先カポックの新芽につくことがよくあります。緑や黒色をした体長1〜2mmの虫が新芽に群がり針を刺して樹液を吸い、尻からベタベタする排泄液を出します。吸われた新芽は萎れてしまいます。排泄液は甘い糖分を含んでいるためアリが寄ってくることもあります。もし植物にアリが登っていたらアブラムシかカイガラムシがいます。オンシツコナジラミは羽をもった害虫で葉の上に白い粉がまぶさっているように見えますが手を近づけると、ぱっと飛び去ります。アブラムシと同様、針を射し樹液を吸い、排泄液を出します。吸われた葉は黄色く黄変します。


対策:一般殺虫剤で簡単に駆除できます。カイガラムシやハダニ駆除用のベニカDやテルスタースプレーでも効きます。

ナメクジ

症状:観葉植物を屋外に置いているとき、やってきます。植物の葉に穴が開いていたり、テカテカ光る、這った跡があったら、ナメクジです。ナメクジは夜出てきて新芽や柔らかい葉を食べます。


対策:鉢の裏を見て、鉢穴の中にナメクジがいないか確かめます。昼間は鉢底などに隠れています。見つけたら引きずり出して死刑にします。どこにいるか分からないときは鉢の周囲にナメトックスやグリーンベイト(住化タケダ園芸)をまいておきます。これは誘殺剤といって毒ダンゴのようなものです。

害虫

観葉植物の病気について

 観葉植物にも、もちろん病気は発生します。しかし、それが細菌やカビで発生したものか、或いは環境が悪くて弱っているのか、またはその両方なのか、かなり経験がないと判断がつきません。害虫以外の原因で植物が弱ってきたら、薬剤を撒くより、まず明るく、風通しの良い、適度な温度の場所に置いて植物の体力を回復させてください。単に環境が悪くて弱っているところに、薬を撒いたら更にダメージを拡大し、枯らしてしまいます。本当に病気の場合もありますが、植物の病気は薬剤では治りません。園芸農家など生産者は殺菌剤など、多くの薬剤を使用しますが、治療のためと言うより病気の拡大防止のためです。観葉植物が病気になった場合、あなたに出来ることは、枝や葉の病気の部分を切除するか、もっとひどければ、株全体を捨ててしまうことくらいです。

 病気の予防は、適度の水やりと、十分な明るさ、温度の場所に置くこと、枯れた枝葉はすぐ取り除き清潔にしていることです。弱っているときに肥料をやることは株を更に弱くしますので逆効果です。

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